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文化の台湾 - 2022-07-29_鬼月

  • 29 July, 2022

台湾では今日、あの世との扉が開きました─。

民間行事は旧暦で行われている台湾では、旧暦の7月1日、西洋暦では今年は今日(7/29)に、あの世との扉「鬼門」が開き、お盆月「鬼月」に入りました。

中国語でいう“鬼”とは、日本でいう“鬼”のことではなく、“霊”のことを言います。

日本では「お盆」というと、一般的に8月13日から15日の3日間ですが、台湾では1か月にわたって霊たちがこの世に帰ってきます。

1か月も…長いですよね。これは、地獄の閻魔大王が旧暦の7月1日に「鬼門」を開いて無縁仏たちをこの世に放つとされていて、霊たちは7月の最後の日に「鬼門」が閉まるまでの間、この世で人々の供養を楽しむという言い伝えから来ているそうです。

「鬼門」が開くと、ご先祖様の霊や、多くの「好兄弟」と呼ばれる無縁仏たちがこの世にやってきます。

そこで、ご先祖様たちに失礼のないように、また「好兄弟」たちからいたずらされないように、各地の廟はもちろん、家庭やお店、会社でも、沢山のお供え物を準備して霊たちを供養します。

この旧暦7月1日当日は、午後14時から午後17時まで、家の前や会社、お店の入り口に「好兄弟」のために心ばかりの「お迎えの料理」を準備します。この料理はそんなに豪華な料理を準備する必要はなく、ちょっとしたお菓子を準備するといいそうです。

ただ、それよりも忘れてはならないのが、タオル、歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸、鏡といった日用品。

なぜかと言うと、このおもてなしで重要なのは、遠くからやってきた「好兄弟」たちがちょっと休憩して、身繕いをし、目的地へ向かうための準備をしてあげることなんだそうです。

そして最後に、「好兄弟」に持たせるお金の代りのものとして、日本語では「冥銭」と呼ばれる「紙錢」を燃やします。

こうやってもてなすことで、「好兄弟」からいたずらされることを避け、今、生きている人も幸福を得ることができるとされています。

また、この他にもこの「鬼月」には、旧暦の7月7日の「七夕」、旧暦7月15日の「中元節」、旧暦7月29日の「鬼門が閉まる日」に拜拜(お祈り)が行われます。

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ちなみにこの「鬼月」、台湾の人たちは「鬼」という単語を口にする事さえも嫌がるくらいに怖がります。なんでも、「鬼月」に「鬼」という単語を口にすると霊たちが「呼んだ?」と勘違いして、寄ってきていたずらや悪さをするといわれているからなんだそうです。そのため、「鬼」ではなく「好兄弟」という言い方をします。

この他にも、「鬼月」には様々なタブーがあります。

●海や川など、水辺に近づかない

暑い夏には水辺で遊んで暑さをしのぐという人も多いと思いますが、「鬼門」が開いた後は、水辺では霊が取って代わろうとして水に引き込まれるので、水辺には近づかないようにと言われています。(これは日本でもお盆の時期、同じようなことを言われますね)

●壁沿いを歩かない

壁は比較的ひんやりとしていて涼しいので、霊は壁に沿って歩くのが好きと言われていることから、壁沿いを歩かないようにと言われています。

●外に水をまいたりしてはならない

霊が壁に沿って歩くのが好きと言われていることに関連して、「好兄弟」たちに水をかけてしまわないように、夜、外や壁の隅に水を撒いてはならないとされています。もしどうしても必要な場合は、先に「歹勢,借過(ごめんなさい、失礼します)」と一声かけると良いそうです。

●夜、外に服を干してはならない

これは、服は人の形をしていることと、濡れた洗濯物には霊が取りつきやすいとされているからです。洗濯した服は暗くなる前には室内に取り込みましょう。

●夜、むやみに写真を撮らない

夜は“陰”の気が重くなっている時なので、むやみに写真を撮ったり、映像を撮ったりすると、「好兄弟」たちが映り込んでしまうことがあるからだそうです。もし「好兄弟」たちが映り込んでしまった場合、撮影した人は不幸に見舞われてしまうかもしれないそうです。

●夜、パーティなどをしない

夜、賑やかにパーティなどをしていると、「好兄弟」たちも一緒に参加しようとやって来るので、「鬼月」のお祝いは日中にした方がいいとされています。

●後ろから人の肩をたたかない

後ろから肩をたたかれると、叩かれた人はびっくりしますよね。「鬼月」に肩をたたかれてびっくりすると、その人の魂が不安定になって、「好兄弟」が乗り移りやすくなるのでやってはいけないと言われています。

●後ろから肩をたたかれたり、呼びかけられても振り返ってはならない

人には頭のてっぺんと両肩に3つの“火”があって、振り返ったときにその“火”が消えてしまうと、健康に影響を与えてしまうとされています。

でももし振り返る必要があるときは、身体ごと後ろを向くと良いそうです。

●室内で傘を差してはいけない

もし室内で傘を差すと、「好兄弟」が傘に入ってきやすくなるそうです。傘を差した時に「好兄弟」と一緒に傘に入っている…と考えると、ちょっと怖いですよね。

…この他にも、「夜、口笛を吹いてはならない」とか、「夜、怖い映像を見てはならない」とか、「鬼月には入院や手術をしてはならない」とか、「鬼月には家や車などの大きな買い物や、結婚、引っ越し、開業、転職などをしてはならない」などなど、たくさんのタブーがあります。

最近ではあまり気にしないという声も聞きますが、やはり今でも多くの人がタブーを避けるようにしています。

そしてタブーは「好兄弟」が活動する夜のものが多いんですが、個人的には、「最終電車や最終バスには一緒に帰ろうとする「好兄弟」がたくさんいるので、なるべく最終で帰らないようにしましょう」というのが気になってしまいました…。この時期はなるべく早く帰りたいと思います。

「鬼月」と呼ばれるお盆月には、拜拜(お祈り)からタブーまで様々な習慣がありますが、実は「鬼月」というのは中華圏では誰もが知っている言葉と思われていますが、このような「鬼月」文化があるのは世界で台湾とシンガポールだけなんだそうですよ。台湾に住む多くの人のルーツでもある福建省でもこの「鬼月」文化はないんだそうです。

タブーなどを聞くとちょっと怖い部分もありますが、この「鬼月」に台湾を訪れると、台湾の独特の文化を見ることができますよ。

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