History page of Radio Taiwan International (Rti)
close
Rti台湾国際放送公式アプリをインストール
開く
:::

ようこそT-roomへ - 2021-01-20_2021年の台湾経済に関する各シンクタンクの予測

  • 20 January, 2021
ようこそT-roomへ
健行科技大学企業管理学部の顔建発(がん・けんはつ)教授(写真:RTI)

 2021年がスタートしてまもなく3週間が経とうとしています。新たな年も新型コロナウイルスのパンデミック、アメリカでは連邦議会の占拠事件と、落ち着かない状況ですが、2021年は、台湾にとってどのような年になるのでしょうか。本日の「ようこそT-ROOMへ」では、専門家やシンクタンクによる予測をご紹介したいと思います。

 最初にお送りするのは、私ども台湾国際放送の運営母体、中央放送局による識者のインタビューをご紹介しましょう。まずは、アメリカ情勢、そして、新たな大統領就任後の両岸関係への影響についてです。

 健行科技大学企業管理学部の顔建発(がん・けんはつ)教授は、アメリカ大統領に誰が就任しても、まずは、アメリカ国内の問題解決に時間を割く必要が出てきているため、アジア・太平洋地域に対する関心は低下することになる、と指摘しました。

 そして、仮にジョー・バイデン氏がアメリカ大統領に就任した場合、同氏は中国大陸に対し比較的友好的な立場である事から、日本、インド、ベトナムなど各国が足並みを揃えることが予想され、さらに、EUに至っては、中国大陸との投資協定に合意した事もあり、各国が競って中国大陸との関係改善を図ろうとする「ドミノ効果」が生まれると憂慮するむきもあるだろう、と述べました。

 顔・教授はその上で、国際社会の中国大陸に対する警戒心が和らぐことはないと強調、矛盾を抱えたまま進んでいくとして、「アメリカと中国大陸の対立は、仮に少し緩和されたとしても、既に構造化されており、解消されることはない」との見方を示しました。

 また、こうしたアメリカと中国大陸の対立が構造化された状況の中においては、仮にアメリカが短期間、アジアや太平洋の事柄に対応できなかったとしても、「台湾を守る」という事柄については、「ドミノ効果」の影響を受けることはないだろう、と指摘、その理由として、台湾が、中国大陸が設定した防衛ライン、いわゆる「第一列島線」の重要な場所に位置すること、また、経済力、テクノロジー力をもつ台湾を守ることが、アメリカなど民主国家の同盟国自身の利益につながるからだ、と指摘しました。

 顔・教授はさらに、中国大陸の著しい発展は、アメリカの覇権を脅かしており、特に、政治体制、民主、人権などに関する理念については、双方はわずかな妥協の余地もない状況であるとして、反中共、そして台湾を守る事は、アメリカの二大政党、そして多くのアメリカ人にとってコンセンサスが得られている、との考えを示しました。

 では、2021年、台湾の経済はどのようになるでしょうか。財団法人台湾シンクタンクの董思斎(とう・しさい)・執行長は、新型コロナウイルスの影響を受けながらも、台湾の経済成長率は、他の国・地域を上回っていると指摘、特にこの30年間で初めて中国大陸を上回ったと紹介しました。そして、これについて、一部の人々から、中国大陸との貿易が占める割合が高まったことによるものだ、という指摘がなされたことに対し、これを否定、実際は、中国大陸の台湾への依存が強まっている、と強調しました。

 董・執行長は、アメリカと中国大陸による貿易戦争が繰り広げられている中、中国大陸は、台湾から必要な商品を購入せざるを得なくなっており、特に台湾の技術は高く、品質も優れているため、中国大陸でニーズが高まっている、と指摘しました。

 董・執行長はさらに、今後も、台湾が新型コロナウイルスの抑え込み成功を維持できてこそ、正常な経済活動が送れ、世界のサプライチェーンの中で安定して高品質の商品を提供し続けられるとして、改めて感染防止の重要性を強調しました。

 顔・教授も、混沌とした情勢の中、理想的なことは、「黙々と手を動かし続けることである」と指摘、挑発はせず、自らを発展させるという現在の政府の姿勢こそが台湾にとって正確な方針であるとして、なぜならば、台湾にとって最も重要なことは、自らをより繁栄させ、より安定させていくことだからだ、と説明しました。

(ジングル)

 続いては、より具体的な2021年の台湾経済の状況について、各シンクタンクの予測を紹介しましょう。

 2020年、新型コロナウイルスの影響により、世界各国が軒並みマイナス成長となった中、台湾は上半期、民間消費の落ち込みは激しかったものの、民間投資や輸出の好調さもあり、プラス成長を維持しました。

 そして、各大手薬品メーカーが新型コロナウイルスのワクチン開発に成功、多くの国で接種が始まっています。仮に、これらのワクチンの効果が期待通りであれば、世界は年内にも、出入境の制限などが少しずつ解除され、日常生活、経済活動が正常に回復すれば、台湾の民間消費も、その大きな恩恵を受けることになります。また、台湾では、5G、AIなどを利用した新たなビジネスチャンスにより、ハイテク産業の輸出は成長を続けることが期待されます。こうした、国内外の状況に対する楽観的な予測もあり、台湾の各シンクタンクによる、台湾の2021年の成長率予測はいずれも3.5%を上回っており、中でも台湾経済研究員は4.01%、中央研究院経済研究所は4.24%と、4%を上回ると予測しました。

 ちなみに中央研究院が昨年12月に予測した2020年の経済成長率は2.71%でした。この予測は7月に予測した1.15%を、1.56ポイント上方修正した形となりました。

 このように、2021年の台湾経済については楽観的な見方もありますが、不安がないわけではありません。気になる点が2つあります。一つ目は、2020年の経済成長を支えた民間投資および輸出のいずれもハイテク製造業、特に半導体産業に支えられていたという点です。台湾には、石油化学産業、紡績業、機械産業など伝統的な製造業もあり、従事者も多いことから、今年も、半導体産業頼みという状況は好ましくありません。

 2つ目は米ドルに対する台湾元の値上がり、台湾元高です。2020年の年初、1ドルは台湾元30元でしたが、年末には28元となり、輸出を主とする企業にとって負担となっています。さらに、アメリカ財務省のレポートによると、アメリカはなお、台湾元高を画策しているとみられ、仮に、台湾元高が続いた場合、台湾企業の競争力に大きな影響を与える恐れがある、ということです。

 明るい話題もありますが、2021年も荒波の中を突き進んでいく年といえそうです。船に例えますと、「台湾」丸の船長は蔡英文・総統。新型コロナウイルスの感染防止の徹底はもちろん、両岸関係、経済発展、様々な点に目配りが必要で、その舵取りは難しさもあると思いますが、台湾に住む一人ひとりが安心して暮らせるよう、牽引していって欲しいと思います。

 

Program Host

関連のメッセージ