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ナルワンアワー(月曜日) - 2021-01-18_台湾・高雄在住の「A士」さんの兵役時代の実録漫画が日本で話題に

  • 18 January, 2021

台湾には日本のアニメや漫画が大好きだという人がとても多く、しかも個人の好みの範囲だけでなく、ラッピングバスの広告だったり、行政の告知だったり、高雄MRTのキャラクターだったり…と、アニメ風のイラストが街中にもあふれています。新型コロナウイルス対策をはじめ、様々な感染症や伝染病などの管理・対策を行っている政府機関「疾病管制署」が、感染症を“擬人化キャラ”にした卓上カレンダーを販売したことも話題となりました。それほどに、台湾ではアニメや漫画が生活に浸透しています。

また、日本のアニメや漫画から影響を受けたという人たちが、日本の漫画の要素に台湾の要素を加え、独自のものとしたアニメや漫画を描き、その作品に日本の漫画家も注目をしています。

昨年(2020年)末、このコーナーでもご紹介しましたが、「第14回 日本国際漫画賞」で台湾の作家・韋蘺若明さんが最優秀賞を受賞したほか、台湾からは合計3名の漫画作家の作品が選出されたことは記憶に新しいと思います。

また、プロフェッショナルとして活動している人だけでなく、インディーズとして作品を披露している漫画家やアニメーター、イラストレーターも多くいます。

そんな中、先日、台湾のあるイラストレーターが書いた実録漫画が日本のネットで取り上げられていました。

そのイラストレーターの名前は「A士(エース)」さん。今回、日本のネットで紹介されていたのは、その「A士」さんが兵役で赴任した「金門島」での実録漫画の一つです。

「A士」さんは、台湾南部の大都市・高雄在住の方で、兵役時代は台湾の離島・金門島で衛生兵として義務兵役を満了したそうです。

「A士」さんが兵役に就いた金門島は、中国大陸が目の前に見える“最前線”とされている場所。そこでは空からの敵兵に備えて、鋭く、硬く、長い“とげ”を持つサボテンが植えられていたそうです。ある時、そのサボテンを撤去せよという通達が下ったことから、「草刈り兵」と呼ばれる“特殊部隊”がナイロンカッターをつけた草刈り機でサボテンを刈ったところ…同時に鋭いとげもすごい勢いであちらこちらに飛び散り、周囲は大混乱に陥った!という話を、かわいいイラストと共にテンポよく紹介しています。

結局、サボテンは最後は鎌を使って手作業で刈り取ったそうですが、そんな驚きのサボテンエピソードに、読者からは「怖い」という反応のほかに、「有事の際に兵器転用ができますね」とか、「天然の障壁」、「サボテンは攻撃力のある鉄条網かな?」など、その攻撃性を活用したい人からの声も届いていたようです。

ちなみに、そのサボテンのとげが飛びまくっていた時の様子を、作者の「A士」さんは、「まるで対人地雷と遭遇した時のように怖い経験だった」、「トゲが耳元を掠める際の風切り音が銃弾の時と違って、一生忘れられない音だった」と語っています。

ネットで紹介されていたのはこの1話だけでしたが、この「A士」さんはこの他にも兵役時代に体験したことをかわいいイラストとともに紹介しています。しかも「A士」さんは、台湾大学の日本語学科卒業とのことで、実録漫画は中国語と併せて日本語の表記もあります。

日本には兵役制度がないので、なかなか知ることのできない世界が、リアルに、そして時にはちょっとコミカルに描かれていて、興味深いですよ。

この「A士」さんの実録漫画はツイッターで紹介されています。ぜひ探してみてください。

また、「金門衛生兵的日常」というタイトルで同人誌として出版もされています。描かれているイラストには台湾の物や食べ物も、見たことがある人なら「あ、あれだ!」とわかるくらいに、かわいいのにリアルに描かれているので、漫画を通して兵役生活だけでなく台湾の雰囲気を垣間見ることもできますよ。

この「A士」さんのように、今ではネットを使って海外に自身の作品を届ける人も多くいます。台湾から日本に向けて日本語で作品を発信している漫画家やイラストレーターも少なくないようです。ネットと漫画を通して触れる新たな文化。皆さんもぜひ楽しんでみてください。

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