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ようこそT-roomへ - 2020-08-12_台湾の「中元節」商戦で注目を集める「乾拌麺」

  • 12 August, 2020
ようこそT-roomへ
レストランも「乾拌麺」市場に参入。(写真:CNA)

各地によって時期は異なりますが、日本は概ね、明日13日から16日がお盆ですよね。今年は、新型コロナウイルスの影響で、やむなく帰省を見送る方もいらっしゃるかもしれませんが、ふるさとのご家族や、ご先祖様もきっと許してくださることと思います。

伝統的な行事は旧暦、農暦で行う台湾では、旧暦7月を「鬼月」、赤鬼、青鬼の鬼にムーン、月と書き「鬼月」といいます。そして、ご先祖様や無縁仏の為に、家やお店の前に台を置き、食べ物や飲み物のほか、あの世でお金に困らないよう紙のお金をお供えし、お供えものに線香を立てたり、この紙のお金を燃やしてお祈りをする習慣があります。

旧暦7月の中でも、特に7月15日の中元節、お盆の前後は、最も霊魂が多いとされ、「中元普渡」、中元に、普通のふ、渡ると書く「中元普渡」と呼ばれる最も盛大なお祈りが各地で行われます。今年、旧暦7月は、新暦では来週の19日から9月16日まで、中元節は9月2日となっています。

必ず用意するお供え物としては、鶏肉、豚肉、魚介類などがありますが、お供えを済ませた後に食べることができるよう、賞味期限の長い食品もお供えします。そして、お米やスナック菓子と並んで定番といえるのが即席麺です。

現在、ショッピングセンターやスーパーマーケットでは、中元節商戦で、たくさんの即席麺が並んでいます。真夏が即席麺の売上が伸びる時期、というのは面白いですよね。

台湾では第1四半期にあたる今年の1月から3月、台湾における即席麺の売上高は台湾元31億元(日本円にしておよそ111億4300万円)と、昨年同期比で14%成長しました。そして、この即席麺市場において今、注目されているのが、「乾拌麺」と呼ばれるジャンルです。

「乾拌麺」は、ドライ、乾燥のかん、手偏に半分の半、麺類の麺と書きます。「乾拌麺」は、たれを麺にからめて混ぜて食べる汁なしの麺です。一般の即席麺が一食分でも袋詰で販売されているのとは異なり、この「乾拌麺」は、4食ないし5食セットで、まとめて袋入で販売されていることが多く、その包装も、大半は一般の即席麺のペラペラなものではなく、しっかりとした材質の袋が使われています。大手ショッピングセンターのデータによりますと、昨年、即席麺売り場における「乾拌麺」の売上は、一昨年に比べて16%アップしたということです。

一般の即席麺に比べますと、値段はやや高めですが、何よりも麺の歯ごたえ、食感、そして、しっかりと縮れており、特製のタレとのからみがよく、とても、乾麺を茹でただけとは思えないレベルのものが多くなっています。そして、芸能人や人気シェフ、ユーチューバーとのコラボや、実店舗の出店など、各ブランドの差別化も顕著となっています。過当競争の中、差別化しないと生き残っていけないんですね。

本日の「ようこそT-ROOMへ」では、中元節商戦を前に注目を集める、台湾の「乾拌麺」に関する話題をご紹介いたしましょう。

まずは、各種データのご紹介です。マーケティング会社の統計によりますと、「乾拌麺」ブームといえるこの3年、「乾拌麺」のブランドは合わせて320にも達したということです。なぜここまで数が多いのかといいますと、参入が非常にしやすいからなんです。

報道によりますと、最低台湾元10万元(日本円およそ36万円)で、ODM、つまり自分のブランドで代理生産をしてくれる製麺、タレ製造メーカーがみつかるそうです。現在は、「トータルソリューションプロバイダー」と呼ばれる、全てを請け負ってくれる存在もおり、食品製造や外食産業の経験のない企業も参入できるようになっているそうです。

即席麺の中で、この「乾拌麺」は値段は、やや高めの設定となっており、最も安いもので、1袋台湾元22元(日本円およそ79円)、最も高いものでは、およそ80元(日本およそ290円)となっています。台湾元80元といいますと、台湾の地方都市では、お肉の入った具入りのスープ麺が食べられる値段です。

即席麺のメーカーは、台湾を代表する大手メーカー数社が市場を独占していますが、「乾拌麺」に限りますと、その販売メーカーは小規模のメーカーが主体です。

「乾拌麺」を販売している企業のうち、最も規模の大きいのは、タイ料理レストランなどのチェーン展開を行っている大手外食産業、TTFBカンパニーで年間売上高は台湾元57億元です。即席麺の市場は、年間売上4500億元、流通、食品の最大手、統一グループや、数百億元の食品メーカー、ウェイダンなどが高いシェアを占めていることを考えると、根本的に規模が違うという感じでしょうか。畑違いですが、ビールでいいますと、大手メーカーとクラフトビールのような違いですね。

こうした「乾拌麺」ブームの火をつけた存在といえるのが、1977年に設立された阿舎食堂です。阿舎食堂は阿蘇山の阿に、校舎の舎、食堂と書きます。元々は南部、台南市の小規模な製麺メーカーでしたが、およそ10年前、口コミ、共同購入で人気が高まり、大手デパートとの提携により、2011年には大規模工場を建設、ブランド戦略と高い品質管理で販路を拡大、現在は、台湾のみならず、北米市場、中国大陸、香港、マカオ、そして日本、シンガポールなどでも販売されています。

 そして、この阿舎に続く形で登場し、現在、台湾で人気となっているブランドをいくつかご紹介しましょう。

売上でトップを走るのが、バラエティの司会者、俳優として活躍するサム・ツェンが立ち上げたブランド、曽(ツォン)乾拌で、台北市西部、昔ながらの町並みが広がる迪化街に実食もできる販売店があります。

また、曽(ツォン)乾拌に続くのが、免税ショップのエバーリッチと食品メーカーが提携、人気男性歌手のジャム・シャオが開発にも参与したという「ラオシャオ拌麵」、そして2013年に設立、人気女性歌手のALINをイメージキャラクターに起用している「ラオマー乾拌」です。「ラオマー乾拌」は、台北市内に実店舗も出店しています。この2つのブランドはいずれもパッケージに、イメージキャラクターの写真を大きく掲載しています。

このほか、人気芸能人が共同出資した四川料理のレストラン「kiki」ブランドの拌麵、人気女優のアリッサ・チアの家族が設立したチャーイーシーリー、男性シェフで料理番組の司会者として人気のジェームスの「詹(チャン)麺」なども人気を集めています。味のみならず、芸能人の知名度を生かしたブランド戦略も重要なんですね。

こうした「乾拌麺」、一部の商品は日本でも購入できるようです。台湾になかなか自由に来ることができない今、こうした「乾拌麺」を食べて、ご自宅で台湾を感じてみるのはいかがでしょうか。

 

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