新型コロナウイルスの流行により、多くの人が外出を控えた結果、小売業の売上が伸び悩んでいます。比較的流行が抑えられていた台湾でもそれは同様で、ECショッピングの売上が伸びた一方、実店舗は大きな打撃を受け、今年の第1四半期、1月から3月、小売業全体の売上高は、前年同期比でマイナス成長となりました。
こうした逆風の中、過去最高の売上を記録した業種があります。それがコンビニエンスストアです。
台湾のコンビニエンスストアは昨年2019年、年間の売上高が、過去最高となる、台湾元3316億元(日本円にしておよそ1兆2023億円)に達しましたが、今年の第1四半期も、逆風をもろともせず、847億元(日本円3074億円)と、1四半期として、過去最高の売上を達成しました。この847億元という額は、百貨店の734億元を上回りました。コンビニエンスストアの売上が、百貨店の売上を上回ったのは今回がはじめてです。
コンビニエンスストアの売上自体は成長したものの、新型コロナウイルスの影響を受けなかったわけではありません。ECサイトと実店舗の伸びをを比較しますと、ECサイトの売上は前年同期比で25%増と大幅増となり、売上全体に占める割合が0.9%から1.1%に微増した一方、全体の99%を占める実店舗の売上は4.7%増に留まりました。とはいえ、売上が増えたというのはすごいですよね。
なお、経済部統計処の担当者は、百貨店業界にとって第1四半期は閑散期であり、年末とセールの時期に売上が集中しているとして、第1四半期のみみて、コンビニエンスストアが、百貨店に替わり、小売業の中の業種別トップの座についたとみるのは時期尚早だ、と指摘しました。
とはいえ、近年、台湾のコンビニエンスストアは、他業種とのコラボレーション、イートインコーナーの充実、生鮮、チルド食品の取り揃え強化、さらにはドリップコーヒーや、お茶ドリンクの店舗販売、そして手荷物の発送受け取り、クリーニングの受付など様々なサービスをスタート、来客数は伸び、人々の生活により身近な存在となっています。コロナ下の生活においては欠かせない、サージカルマスクの予約や受け取りもコンビニエンスストアで行えます。
台湾にお越しになったがあるリスナーの皆様は、台北市など大都市を歩いていてコンビニエンスストアが非常に多いことに気が付かれたことと思います。斜向かいや、通りをはさんで向かい合ってというケースは珍しくなく、小道を挟んで2軒の違うチェーンが並んでいることもあります。統計によりますと、今から14年前、2006年の年末の時点で、台湾のコンビニエンスストアの店舗数は8564軒でした。その後、店舗数は、年々増え続け、2013年には10087軒と、1万軒を突破、そして昨年、2019年末には11465軒となりました。
ちなみに、台湾において4大チェーンといえるのは、セブンイレブン、ファミリーマート、ハイライフ、OKマートの4つです。5月5日の時点で、セブンイレブンは5776店舗、ファミリーマートが3648店舗、ハイライフが1460店舗、そしてOKマートが842店舗となっています。
この14年間、年間200軒ほど増えている計算になります。中華民国台湾の人口はおよそ2360万人ですので、人口で割り増すと、およそ2058人あたりに1軒あるという計算になります。このコンビニ密度は、世界において韓国に次いで2位となります。日本よりも密度が高いんですね。
経済部統計処では、こうした台湾におけるこの10数年の店舗数拡大は、台湾市場シェアトップのセブンイレブン、そしてシェア2位のファミリーマートの2強の形成戦略成功によるものだ、と指摘、チェーンマネージメントの強化により、いわゆる「規模の経済」が拡大、強者がさらに勢力を伸ばすことで、格差が拡大しているといいます。つまり、セブンイレブン、ファミリーマートの2強と、それ以外の2つのチェーン、そしてその他のコンビニエンスストアとの格差が開いているというわけです。
続いては、コンビニエンスストアに関する調査をご紹介していきましょう。食に関する雑誌「FOODNEXT」の調査によりますと、なんと全体の98.7%の人が家の近くに、コンビニがあってほしいと答えました。利便性の日本の高さは誰しも認めるところでしょうが、ここまで高い比率にはならないのではないでしょうか。
一週間にコンビニをどれくらい利用するかという問いには、毎日という人が27.8%で最も多く、3日が18.5%、2日が12.6%、4日が12.1%で続きました。0日、つまりほとんど利用しないと答えた人はわずか1.8%でした。
さきほどもご紹介したとおり、台湾全域に11500店舗ほどある台湾のコンビニエンスストアの中で、シェア1位のセブンイレブン、2位のファミリーマートの店舗数が全体の8割以上を占めます。
どこのコンビニを選ぶかという問いに、全体の73.3%の人は、家や会社の近くの店を利用すると答えましたが、その一方で、好きなコンビニブランドはなにか、という問いに対し、54%がセブンイレブン、43%がファミリーマートと答えており、ハイライフとOKマートは合わせて3%に留まりました。出店密度が高いことで利用がしやすい事もコンビニ選びをする上での大きな理由でしょうが、大手チェーンは、ブランド自体の人気も高いことがうかがえます。
ちなみに、4大コンビニについて、そのコンビニが好きな理由についても聞いています。シェアトップのセブンイレブンは「生活範囲における出店密度が高い」、「商品の選択肢が多い」「チルド品が美味しい」という理由、ファミリーマートは「クーポン、セールが多い」、「ブランドが好き」、「生活範囲における出店密度が高い」という理由、そしてハイライフは「クーポン、セールが多い」、「生活範囲における出店密度が高い」、「ブランドが好き」、またOKマートは「店員が親切」、「クーポン、セールが多い」、「生活範囲における出店密度が高い」という理由が挙がりました。
私は台湾にやってきて15年ほどになりますが、コンビニエンスストアのサービス、扱い商品の多様化、そして主力商品であるお弁当、デザートなどの商品のレベルアップは目は見張るほどです。
シェアトップのセブンイレブンはこの8日、人気キャラクターのスヌーピーとのコラボ店舗をオープンさせたほか、明日11日には、日本でも人気、台湾セブンイレブンのキャラクター、OPENちゃんファミリーとのコラボ店舗をリニューアルオープンします。いずれも限定商品を販売するということです。楽しみですね。
Rti 台湾国際放送
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