昨日12日、香港の名優、アンソニー・ウォンさんが、自身のフェイスブックで、 すでに台湾に到着、14日間の隔離生活中であり、中華民国への帰化を検討していることを明らかにしました。
今年58歳のウォンさんは1990年代から香港映画界で活躍、演技派の二枚目俳優として、スポットライト浴びてきました。近年は政治に関するメッセージを多く発信、2014年には、民主化を求める反政府運動、通称「雨傘運動」への支持を表明しました。その結果、中国大陸、そして香港の映画界から実質的に「干される」形となりましたが、その政治スタンスは代わっていません。
香港で昨年6月、中国大陸への容疑者引き渡しを可能とする「逃亡犯条例」改正案への反対運動、いわゆる「反送中デモ」が発生しました。新型コロナウイルスの流行で、デモ活動は下火になっているようですが、次第に、香港らしさを失われることを危惧、将来に失望した人が出ています。また、こうした理由以外にも、両派の対立による交通期間の麻痺、キャンパスでの衝突など、人々の生活、安全にも影響を及ぼしていることから、香港では主に中産階級の人たちの中で、他の国・地域への移民を検討しているが増えていいます。そして、その移民先として、同じ中華圏で、民主主義の中華民国台湾が候補となっており、実際に、移住を見据え、台湾にやってくる香港の人は増えているんです。
本日の「ようこそT-ROOMへ」、前半は、香港からの長期滞在者が増えているという話題、そして後半では、中華民国への帰化に関する統計、動向をご紹介したいと思います。
内政部移民署の統計によりますと、昨年の2019年、台湾の長期滞在許可にあたる居留許可を取得した香港の人は5858人に達し、2018年の4148人に比べ1700人あまり増え、過去最高となりました。
2016年にそれまで一緒にカウントされていた香港とマカオの統計が別々に計算されるようになりました。その後、3年間、台湾の長期滞在許可にあたる居留許可を取得した香港の人は4000人台を維持していましたので、明らかに昨年大幅アップしたといえます。そして、2019年の月間別の統計をみますと、明らかに「反送中デモ」の影響が大きいことが伺えます。この「反送中デモ」は昨年6月に始まりましたが、昨年7月の時点で371人だった人数は、8月は392人と微増したあと、9月には882人、10月には1243人と数倍に急増しました。その後、少し落ち着きはみせたものの11月も609人、12月も897人を数えました。今年に入っても3月まで毎月600人を上回っており、昨年同月比で明らかに増加しています。
ちなみに、香港の人が、台湾の居留許可を取得するためには、留学、就職のほか親類を頼っての来台という方法もありますが、最も多いのは「投資移民」という形だそうです。これは不動産を含まずに、台湾で台湾元600万元(日本円にしておよそ2150万円)以上の投資を行うというもので、連続して一年間滞在すると、中華民国台湾の身分証取得できるほか、配偶者や未成年の子女も身分証を申請することができます。この「投資移民」の形が、台湾に親類がおらず、また台湾の人と婚姻関係のない香港の人に最も人気の高い方法だということです。日本円で2000万円、決して少ない額ではないと思いますが、欧米各国に比べると投資額のハードルは低い上、台湾自体に魅力を感じている人も多いようです。
アンソニー・ウォンさんの台湾移住、そして実際に中華民国へ帰化した場合、香港の人々への影響も大きそうですね。
(ジングル)
続いては、中華民国への帰化に関する統計のご紹介です。昨年2019年、中華民国に帰化した海外出身の人の数は3438人でした。この数は2018年に比べ114人減りました。
この20年の帰化人数の統計を振り返っていきましょう。1990年代から、台湾では、中華民国籍の人と海外の人の婚姻が増加、婚姻を期に帰化する人が多く、2010年には最高で年間7692人に達しましたが、近年は、各国との経済、貿易の交流、社会発展など取り巻く環境が変化、台湾の人と海外の人との婚姻数が減少すると、帰化する人の人数は減り、2016年には3252人と半減以下となりました。
ただ、同年の2016年12月、改正された国籍法が交付され、帰化の条件が緩和され、中華民国に大きな貢献をした人、あるいは、ハイテク、経済、文化、芸術、スポーツ、その他の領域において極めて専門的な人材については、元の国籍を失うことなく、中華民国へ帰化、というよりも中華民国籍の取得ができるようになりました。また、中華民国籍の配偶者からのDVで苦しんでいる人、死別した人、並びに中華民国籍の子女を扶養している海外籍の人など、立場の弱い人の帰化条件も緩和されました。
2019年、中華民国へ帰化した3438人のうち、帰化の理由で圧倒的だったのは「中華民国籍の人との婚姻」で2960人、全体の86.1%を占めました。また、本人は未成年で、「両親が中華民国籍」という人は132人、自らの意思でという人は113人でした。
性別では女性が3097人で90.08%とおよそ9割を占めました。国別ではベトナムが2325人、全体の67.63%でトップでした。ベトナムに続くのは362人のフィリピン、350人のインドネシアが、そして72人のタイ、69人のマレーシア、そして46人の日本と続きます。
中華民国に大きな貢献をしたことを理由に、政府から元の国籍を失わずに中華民国籍取得を認められ、取得した人は2019年は14人でした。2016年に始まって以来、合計71人で、エリア別ではヨーロッパの37人が最多となっています。長期間において慈善活動を行ってきた宗教関係者などが多いですね。2019年の14人のうち1人は日本人でした。
また、極めて専門的な人材で、中華民国籍を取得した人は、2019年59人と過去最多となり、合計124人となりました。エリア別ではアジアが49人とトップとなっています。
ちなみに、帰化ではありませんが、現在、いわゆるホワイトカラーの外国人人材の受け入れを進めるため、様々な条件を緩和しており、こうした労働許可を得たホワイトカラーの外国人は3万1125人、このうち日本人は23.5%とおよそ4分の1を占めており、最も多くなっています。また、2位はこれまで長いあいだ、アメリカ人でしたは、今回、マレーシア人が13.5%で、アメリカの11.8%を上回り初めて2位となりました。
帰化した海外出身者はもちろん、長期滞在者も台湾社会の一員です。彼らが台湾で活躍することは、台湾の為になります。政府には、これからも、その為の舞台づくりしていってほしいと思います。
(編集:駒田 英)
Rti 台湾国際放送
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