新型コロナウイルスが流行する中、日本では大都市を中心に、外出自粛要請が出ています。また、在宅勤務を中心とするテレワークを採用する企業も増えていますよね。
台湾は、外出自粛要請はされていないものの、できるだけ感染拡大のリスクを下げるための様々な取り組みをしています。早い段階で、一部の企業やレストラン、学生以外の構内に立ち入れる大学などでは、検温が行われるようになっていたほか、衛生福利部により、4月1日から、人と人との距離、ソーシャルディスタンスを室内では1.5メートル、屋外は1メートル以上取るよう呼びかけがなされました。
また、同じく4月1日より、台湾の在来線台湾鉄道の239駅、台湾の新幹線、台湾高速鉄道の12駅、1298の郵便局、さらに全ての空港、港、サービスエリア、高速バスのバスターミナルなどへ立ち入りする際に、マスクの着用が義務付けられました。また、検温も義務付けられ、2回計測して37.5度を超えた場合は、帰宅あるいは病院へ行くよう要請されます。また4日から、北部の台北市、新北市では、生活の足、台北MRTや、乗り合いバスも、マスクの着用が義務付けとなり、指示に下がない場合は罰金が科されることとなりました。
こうした状況により、台湾の人々の生活スタイル、消費スタイルにも変化が生まれています。本日の「ようこそT-ROOMへ」では、台湾のビジネス雑誌に取り上げられた調査結果をご紹介いたしましょう。
この調査は、大手リサーチ会社が、台湾の20歳から59歳までの消費者の、新型コロナウイルス流行に対する反応、そして消費行為を調査したもので、2月と3月に一回ずつ行われました。
まず、2月から3月にかけ、新型コロナウイルスの感染が拡大したことにより、消費者の外出機会が減少している、もしくは、外出への抵抗感が増していることがわかりました。
2月の調査では、消費者のうち、コロナウイルスの流行で外出を控えることはないと答えた人は43%と4割を超えていましたが、3月の調査では10ポイント減少、33%となりました。つまり全体の7割近い人が外出を控えていることになります。
まずは消費行為の変化をみていきましょう。訪問を避ける場所について、その業種、販売チャネル別でみますと、2月と3月を比較し、最もポイントが上昇したのは映画館で2月の24%から33%と9ポイント上昇しました、さらにナイトマーケットが21%から27%に6ポイント、デパート・ショッピングセンターも30%から35%へ5ポイント上昇と、大きな打撃を受けています。これらの場所は台湾の人々だけでなく、インバウンドの恩恵も受けていましたので、実質的に「鎖国」し、観光客がゼロになっている現在、二重の影響を受けているといえます。また、食堂・レストラン、教会、お寺、廟といった宗教施設、スポーツジム、ファーストフード店なども、2月から3月にかけ落ち込んでいます。
日本でも3つの「密」、人ごみなど、多くの人の「密」集する場所 ・換気の悪い「密」閉空間 ・近距離での「密」接した会話の3つの「密」を避けましょうと呼びかけがされていますが、台湾でもそうした意識で、密閉空間、人混みを避けようという意識を持つ人は増えていることが伺えます。
一方あまり変化がないのは、大型量販店、伝統的なマーケット、スーパーマーケット、そしてコンビニエンスストアなど、食べ物や生活用品など、日々の生活に関する買い物が出来る場所です。外食が減り、食事を自宅で済まそうという人が増えている影響もあるかもしれません。
行動でも変化がみえています。2月と3月の比較で、外出が減っていることがわかりました。レクリエーションといえる散歩、車のドライブやバイクや自転車のツーリング、ジョギング、トレッキングなどが20%近く減っているほか、室内で開催されたり、人と人が密着しやすい、宗教活動、カラオケ、国内外の旅行、ショッピング、食べ歩きなどはさらに落ち込んでいます。「鎖国」中ですので、海外旅行は当然ですが、カラオケ、ショッピング、宗教活動の落ち込みが特に顕著となっています。
一方、自宅で行える行為、インターネット、ゲーム、テレビないしオンラインでの映画、ドラマ鑑賞、音楽鑑賞などの楽しむ人は最大で30%ほど上昇しています。当然のことながら、家に引きこもっている人が増えているんですね。
台湾の人々にとってのホットな話題についても、この新型コロナウイルス流行のニュースを含む国際ニュースがトップとなっており、3月においては41.5%の消費者が、自ら周囲の友人と話し合ったり、情報をシェアしていたことがわかりました。また、今後の経済状況の行方についても25.4%と高い関心を持たれていました。また、政治に関するテーマの議論は、感染が拡大した3月に大きく落ち込みをみせました。また、各種小売業のプロモーション情報などへの関心も下がっていることがわかりました。
なお、どのようなチャネルから情報を取得しているかという問いについて、2月の時点では多様性がみられましたが、3月に入ると、なおもトップ2ではあるもののテレビ、マスメディアのウェブサイトの割合が減少しました。逆に、SNSのLINEの公式アカウントを利用する人は、2月の15.4%から3月の23%に大幅増となりました。
なお、消費者が、コロナウイルスに関する情報についてその真偽を調べるという割合も、2月の76%から66%へ減少しました。このことからは、消費者が現在、情報を取得している情報チャネルが、信頼のできるものに絞られつつあるということがいえます。なお、衛生福利部疾病管制署が開設した公式アカウントの登録ユーザー者数は1月30日の時点では100万でしたが、3月24日の時点では200万人と倍増しました。
なお、台湾では新型コロナウイルスの流行開始以降、蔡英文・総統、蘇貞昌・行政院長、さらに中央伝染病指揮センターの指揮官を兼任する衛生福利部の陳時中・部長や、「マスクマップ、「マスク実名制」などを手掛け、日本でも知名度が高まっている「若き天才IT大臣」オードリー・タン行政院政務委員などが、日々、国民に向け情報を発信していますが、「ナショナルチーム」ともいえる、国を上げての取り組みに対する言及、そして評価は大きく高まっています。
新型コロナウイルス流行により、台湾でも行動、消費のみならず、国民感情にも変化が現れているんですね。ただ、今のような「非日常」の日々がストレスになるのは確か、一日も早く収束し、当たり前の日常が戻ってくることを期待したいと思います。
(編集:駒田 英)
Rti 台湾国際放送
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