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ようこそT-roomへ - 2020-03-04 新型コロナの影響で商売繁盛の電子商取引

  • 04 March, 2020
ようこそT-roomへ
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、家で食事をする人が増えている。写真は、昨年台湾の人気商品一位のノンフライヤー。今年も新型コロナウイルスの影響で人気商品となっている。(写真:RTI)

 新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。このコーナーでも何度かお伝えしてきました通り、台湾では2003年に発生したSARSの際、多数の人々が亡くなったことから、今回のコロナウイルスに対する警戒は非常に高くなっています。台湾の多くの人の意識として共通しているのは、不要不急の外出を避けるということ。中でも人が集まる多い場所、特に室内は避けようというものです。その結果、海外旅行は当然のこと、国内旅行、ショッピング、外食など控える人が増えています。また、大規模イベントは中止、延期になったり、室内で行われる各種スポーツ大会は無観客試合となりました

 こうした中、観光産業、航空業、小売業、外食産業などには大きな打撃を受け、業者によっては給料の削減、無給休暇、さらにはリストラを行う企業も出ています。経済面への大きな影響を憂慮する声はあり、行政院は台湾元600億元(日本円にして2160億円)に及ぶ経済振興案を打ち出しました。ただ、この新型コロナウイルスがどのような特徴をもつウイルスであるかはっきりとわからないだけに、慎重な態度で考えている人が多いんです。

 台湾で連日のように、新型コロナウイルスのニュースが報道されるようになってから一ヶ月あまり、当初の、「マスク狂想曲」ともいえるマスクをめぐる混乱は、政府が国内のマスクを一括管理をした上、健康保険カードをもとにした薬局での実名販売制を導入、さらに、もともとのマスク製造業者以外の他業種の企業も増産に協力したことで、落ち着きがみられてきました。ただ、冒頭で申し上げたとおり、不要不急の外出をできるだけ控えている人が多いことに加え、企業においても、テレワークの導入や、業績不振で有給、無給に関わらず、休暇をとっている人も一定数おり、その結果、人々の暮らし方にも影響を与えています。

 その影響の一つが「宅経済」です。「宅経済」は、住宅の「たく」に、経済と書きます。日本語に訳しますと「引きこもり経済」という意味になるでしょうか。

 本日の「ようこそT-ROOMへ」では、新型コロナウイルスの流行にともなう、台湾の「宅経済」、「引きこもり経済」に関する話題をご紹介しましょう。

 新型コロナウイルスは、台湾では、新暦の1月24日にあたる旧正月前から大きな話題となりました。それから一ヶ月あまり、様々な業界において消費が冷え込んでいますが、こうした中、好調な業界があります。それがECサイトです。

 2月の統計はまだ出ていませんが、新型コロナウイルスの感染が本格化する1月の段階で、大手ECサイトの売上は軒並みアップしました。もともと1月は年間で一番売上が低迷する時期だということですが、大手の「MOMOショップ」の1月の売上高は昨年同月比15.09%増の49億2900万元(日本円にしておよそ176億5600万円)、PCホームは、5.52%増の36億1900万元(日本円にしておよそ13億300万円)と、1月の過去最高となりました。また、新興のECはサイト「PCワン」は昨年比26.24%と大幅増をマークしました。絶好調なんです。「MOMOショップ」に至っては、多くの業界は業績不振に苦しみリストラも行っている中、100人以上の募集を行ったんです。

 2月は14日にバレンタインデーがあり、本来は各学校の新学期も2月半ばスタートであったため、全てが新型コロナウイルス流行による影響とはいえないかもしれませんが、追い風となっていることは間違いないといえそうです。

 このようにECサイトが好調な中、北部の新北市政府は、ECサイトの「ETモール」と提携、新北市内の各産業の企業の商品を取り扱う「新北市特別コーナー」を設け、消費者との架け橋となっています。

 ECサイトの売上高の伸びと共に顕著となっているのは、自宅で食事をとる人の急増です。もともと外食が多く、若い世代に至っては、あまり料理が得意な人はいないイメージがある台湾ですが、感染のリスクを少しでも減らそうと、コンビニエンスストアやスーパーマーケットで、麺やたまご、缶詰、白米などを買って、簡単な料理に挑戦しようとする人が出てきています。

 そして、日本生まれの料理レシピ投稿、検索サイト「クックパッド」など、様々なサイトやアプリを参考にしているんです。

 また、そこまで料理する時間も気力もない、という人たちもいるからでしょうか、冷凍食品や即席麺、レトルト食品の売上の売上も絶好調となっています。

 冷凍水餃子、冷凍チャーハン、スパゲッティー、または「乾拌麺」と呼ばれる、タレを麺にからめて食べる汁なし麺など、作るのも食べるのも楽な料理が上位に入っていますが、中でも冷凍水餃子は高い人気を集め、大手スーパーマーケットのECはサイトでは、1月末から2月初旬の売上が、通常の売上の10倍あまりに急増しました。

 また、各ECサイトでは、台湾の人々にとってもソウルフード、バラ肉を刻み濃いめの味をつけ煮込み、ごはんにかける「ルーロウファン」のチェーン、通称「ヒゲ張」、フーシーチャンと提携したメニューや、手軽ながら本格的な味を楽しめる中華料理のレトルト食品なども扱って差別化を図っています。

 このほか、台湾では昨年大ブレイクし、身近な存在となったフードデリバリーサービスも好調となっています。レストランでも、店内で食べる人の数は減っている一方、テイクアウトや、フードデリバリーサービスの利用者は急増している、ということです。とにかく、家の中で全てを済ませてしまおうという人が増えているんですね。

 最後は、「宅経済」、「引きこもり経済」とは少し異なるケースですがご紹介しましょう。台湾では現在、中国大陸、香港、マカオ、韓国、イラン、イタリアから中華民国台湾に入境した人は、自覚症状がなくても、空港から、指定のタクシー、ハイヤーで自宅に直行し、14日間に渡って自宅ないし指定の宿泊施設での隔離が求められています。毎日2回の検温と、健康報告が義務付けられており、一切外出はできません。勝手に外出した場合には罰金となるんです。

 こうした中、各地方自治体は、こうした隔離者に渡す避難袋ならぬ隔離袋の中身を公開しました。どの地方地自体の袋の中にも、マスクや石鹸、消毒液、スナック菓子、缶詰などが入っていますが 、自治体によっては即席麺のほか、インターネット上のプラットフォームで、映画やドラマが無料で14日間楽しめるパスワードつきの自治体もあり、こうした自治体は人々から称賛されていました。隔離生活、精神的なストレスは相当なものでしょうが、こうした自治体の気遣いは嬉しいですね。

 ともあれ、こうした非常時の生活はもう勘弁という感覚を覚えているのは私だけではないと思います。あらためて、新型コロナウイルスの流行が一日も早く収束してくれることを、心から祈りたいと思います。

(編集:王淑卿)

 

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