リスナーの皆様で、大阪にお住まいの方はいらっしゃいますか。東京に対するイメージはどのようなものでしょうか。また、逆に東京にお住まいの方は、大阪にどのようなイメージをもっていらっしゃいますか。
日本のバラエティーショーなどで、その違いや、ライバル意識などが話題になることも多い東京と大阪。当然、東京にも大阪にも様々な人がいるでしょうし、物事をステレオタイプで決めてしまうことはあまり良くないのですが、台湾にもこうした関係に近いものがあります。それが、主に台北市を中心とした北部と、南部ないし中南部との関係です。
様々なエスニックグループが暮らす台湾、北部と南部ないし、北部と中南部との違いは様々なジャンルにおいてみられ、インターネットなどでよく話題になります。
本日の「ようこそT-ROOMへ」では、様々なジャンルの中から、特に台湾の人たちの関心が高いグルメに焦点をしぼって、関連の話題をご紹介したいと思います。
まずは、台湾のスマートフォン用のグルメアプリ「メニュータイワン」の結果をもとにした話題です。「メニュータイワン」は利用者の使用データーから、北部と南部の比較を明らかにしました。ここでいう南部は、台湾島を南北に分けた結果で、台南、高雄、屏東などの南部エリア限定の結果ではありません。
2019年のユーザーの使用記録をもとにしたビッグデータによりますと、北部の人たちは美食を食べたことを記録することが好き、南部の人たちは、美味しそうな店をリストアップすることがわかりました。
よく具体的に説明いたしますと、北部の人たちのうち42%の人は、実際に食べた食事の細かい内容を詳細に記録するほか、写真を撮り、チェックインしてアップロードする人が多いということです。「チェックイン」というのは、自らの位置情報をアプリ上に追加することです。アプリやソーシャルネットサービスにおいて、今、自分がどこにいるということを示す機能ですね。
一方で南部の人たちは、南部エリアにある興味を惹かれるお店をピックアップし、多少遠い距離でも食べに行く人が多い、ということです。
北部の人たちは、他の人達の目を気にしたり、もしくは情報をシェアしようという傾向が強い一方、南部の人たちは、素直に自分が美味しいものを食べることにより強い意識が向いている、といえるかもしれませんね。
続いては、チェックインするお店の傾向の違いです。先程、南部の人たちは、自分が美味しいものを食べることに強い意識が向いていると紹介しましたが、北部の人たちも、話題の店においてはこの傾向が強く、話題のグルメを食べるためには、行列も辞さないという結果が見えました。ビッグデータによりますと、行列しても美食を食べたいという人の割合は、南部よりも北部のほうが29%高いという結果となりました。ちょっと意地悪な見方をすれば、北部の人は、先程の写真やグルメレポートのシェアも含めて、あの話題のグルメを食べたよと、周囲にアピールする人が多いといえるのかもしれません。一方、南部の人はコストパフォーマンスを重視している人が多く、台湾元で100元(日本円にしておよそ360円)くらいの庶民的な価格のグルメの店でチェックインをする割合が北部の人よりも高くなっています。一方、北部の人たちがチェックインするお店の価格帯は台湾元で100元から500元と幅があります。
では、北部と南部ではどのようなグルメが注目されているでしょうか、出現頻度が高い単語を選び、その頻度に応じた大きさで表示するWordCloudを見てみますと、北部でも濃いめの味つけをした刻んだ豚のバラ肉をごはんにかけた「ルーロウファン」などの庶民の味もあるものの、ビストロ、鉄板焼、スフレ、日本料理など、「ハレの日」を感じる路線の文字が目立ちました。
一方、南部は「タピオカ」、「抹茶」などに続き、「蛋餅」、蛋白質のたん、お餅の「餅」と書き、小麦粉の粉を水に溶いたものを熱し、溶き卵と合わせたクレープのような生地に、様々な具を挟んで、一口大にカットして食べる「蛋餅」などの朝食定番メニュー、それにヤギ、アヒル、ブタなど、動物の肉が上位に入っています。お洒落っぽさはないものの、庶民派路線でとにかく美味しさ重視というところが伺えますね。
ちなみに、今、台湾南部では、タピオカミルクティースフレや、タピオカピザなどが話題になっているそうです。日本でも販売するお店がでてくるかもしれませんね。
さて、ここまでご紹介したのは台湾のスマートフォン用のグルメアプリ「メニュータイワン」の結果から見える南北の違いをご紹介しましたが、同じグルメでも台湾の南北で調理法が異なったり、味の好みが違うんです。一番、よく言われるのは南部でも台南の人々が甘い味付けが好きという話、甘くなければ台南の味ではないと揶揄されるほどです。
ここでは、いくつか台湾を代表するグルメの南北の違いをご紹介しましょう。まずはバーワンです。肉、旧字の日本円の円、圓と書くバーワンは、さつまいも、片栗粉などのデンプンでつくった半透明の皮に具を挟んだ、もちもちとした食感の食べ物で、ソースをかけて食べます。ただ、このバーワン、北部は油で揚げて、具にウズラの卵やタケノコが入る一方、南部は蒸してつくる為、食感が大きく異なるんです。
また、旧暦の5月5日、端午の節句の時期にはかかせないちまきも、南北で製法が違います。北部のちまきはまずご飯と具を炒めたあと、笹なの葉っぱで包み蒸します、そのため、もち米のご飯粒がパラパラとまではいいませんが、一粒一粒わかれています。一方で、生のもち米と具に味付けをしてから葉っぱで包み、そのままお湯で茹でます。そのため、お米に水分が含まれまるでお餅のように一体化してもちもちとしている上、笹の香りもしっかりついています。落花生の粉をかけて食べることもあります。同じちまきでも製法、食感が違う中、南部の人たちは、北部のちまきに対して、「北部のちまきは単に、おこわを葉っぱで包んだものに過ぎない」と笑うのです。なお、端午の節句のシーズン、台湾ではこうした北部のちまき、南部のちまきをいずれも食べることができます。リスナーの皆様も是非、食べ比べてくださいませ。また、このほかに有名なものでは、台湾第二のエスニックグループ、客家の人たちのちまきもあり、製法も味も全く違います。
また、台湾ではさきほどご紹介した台湾のソウルフード、ルーロウファンについても、地域によって名称、製法、付け合せなどが異なるんです。国土は日本ほど大きくないとはいえ、地域差はあり、故郷の味に誇りを感じる人も多いんですよ。
(編集:駒田 英)
Rti 台湾国際放送
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