今月10日から18日まで、中華民国台湾における日本の大使館に相当する交流協会台北事務所で、「東日本大震災写真展」が開催された。
この写真展は、2011年からユニセフ(国連児童基金)が、日本の代表的な新聞通信社と写真家が撮影した被災地の写真をまとめ、日本の東京国際フォーラムやアメリカ・ニューヨークの国連本部をはじめ、日本の30都市で開催してきたもの。中華民国台湾は震災発生時、巨額の義援金を募り、被災地のために寄付したことが知られている。しかし、中華民国は現在、国連加盟が認められていないため、国連の補助機関であるユニセフ主催では台湾での開催が難しく、この写真展を当初から計画、実行してきた撮影記者の新藤健一さんらが今回、新たに「東日本大震災写真展実行委員会」を立ち上げて台湾での開催を実現した。
実行委員会では、震災発生時、台湾の人たちは真っ先に日本円230億円もの義援金と支援物資を被災地に提供、救援隊も派遣してくれたとし、海を越えてのあたたかい支援に対して、被災地の現状を報告する写真展を台湾で開いて、台湾の人たちに感謝の気持ちを伝えるとしている。
写真展は日本新聞協会に加盟している新聞社、通信社の記者、フリーの写真家、記者による写真で構成される。国際的に活躍する著名なカメラマンも参加。本来ライバル関係にある日本のカメラマンたちの、それぞれの思いのこもった写真が集められているという点で大変貴重な写真展となった。
実行委員会の委員長を務める新藤健一さんは、「日本のカメラマンは台湾にとても感謝している。感謝の気持ちをこめて被災地の現状を報告する。今後、台湾の各地でも開いていきたい。また、防災面で台湾と日本の交流のきっかけになればうれしい」と話した。
展示されたのは90点の写真。テーマは、津波による損失、ふるさとの再建と原子力発電所の事故による被害、震災後の生活。会場では、震災発生当時のおそろしい津波の写真、それに伴う火災、原発事故、震災直後の避難風景、原発廃棄を求める集会、今も癒えない被災者たちの悲しみ、被災地の一部で活力を取り戻しつつある姿、三年経った被災地の今、台湾の団体が被災地を励まそうとして行ったイベントなどが目にできた。
展示された写真は展示終了後、中部の台中市にある国立自然科学博物館の「921台湾大地震教育パーク」に寄付される。「921台湾大地震教育パーク」は国立自然科学博物館に属するが、場所は別で、台中市霧峰区にある。台湾で1999年9月21日に発生した、マグニチュード7.3の大地震、「台湾大地震」を記録している場所。
同パークの鄭添益・主任らは10日の開幕式に出席し、実行委員会に感謝状を贈った。そして、「震災の貴重な写真を寄付してもらいとても感謝している。地震がまねく災害の多様さを国民に学ばせられるだろう。台湾も日本も環太平洋地帯にあり、津波も起きる。これらの写真は防災面で啓発を与えてくれる。台湾と日本がこうした経験を共有して、次世代に伝えていくことで、自然災害の被害を少しでも減らしたい」と話した。
新藤さんは、「今回実行委員会を立ち上げたこともあり、今後はカメラマンの判断で世界各地で開催できるようになった。今回はその第一歩だ」と、台湾の各地での開催や内容のアップデートのみならず、今後の各国での写真展開催にも意欲を見せた。
Rti 台湾国際放送 
